落ち着かない。言うことをきかない子は見守ってあげるだけでもいい

 

おやつの時に椅子にじっと座っていられない。

机に足を乗せてみたり

椅子の背もたれに座ってみたり

食べながら歩き始めたり。

 

注意してもおとなしく座らない。

机の下にもぐりこんで食べたり

食べているものがこぼれてもおかまいなし。

ほかの子にちょっかいを出して

お菓子を取ってしまったり。

 

ただ落ち着きのない子供


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というわけではなさそう。

 

ADHD、注意欠陥多動障害の子供の特徴です。

 

小さい子供ならじっとしていられず

よくあるようなことなので

はじめのうちは障害に気づかれないことも。

 

ただの落ち着きがない子、乱暴的な子

わがままで親のしつけがなってない子

という目で見られてしまいます。

 

ADHDの子は自分で制御ができません。

障害の特徴から、考える前に手が出てしまう。

そんなことがあります。

 

「ADHDとまでは言われていないけど近い!」

そんなお子さんもいるでしょう。

 

大声で叱っても効果なし。

何度言ってもわからない。

 

あまり叱りすぎていると

だんだん嫌になってきて

なんでわからないのかと

こちらが疲れてしまいますよね。

 

今回はADHDの小学1年生、A君を例に

落ち着きのないお子さんにも有効的な

関わり方やしつけの方法をご紹介します。

 

A君は室内で遊んでいる様子を見ていると

それまで遊んでいたボールから

友達が持ってきたフラフープに関心がいき

フラフープを奪おうとします。

 

「貸して」も言わずに奪おうとするので

けんかになります。

「順番に使おう」

と大人がアドバイスしても

「やだ!貸して!」

順番を待てません。

 

貸してもらえないとわかると

悪態をつきながら

違う部屋へ行こうとするのですが

扉の枠に体をぶつけます。

 

そこで壁をけとばすのですが

はだしなのでもちろん痛い。

しゃがみこんで痛いことに腹を立て

ドアを蹴飛ばし

もどってきた扉にまたぶつかる。

 

ADHDの特徴である

衝動性・他動性・注意欠陥の特徴が

如実に現れています。

 

ADHDの理解がないと

「暴力的でかわいげがない子」

少しでもわかると

「生きづらそう」

そう感じられる場面です。

 

ここまでではないけれど

小さなお子さんで元気な子だと

こんなこともみられますよね。

 

どう関わっていけばいいのでしょうか。

 

落ち着かない、言うことを聞かない子への接し方

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A君はいつも常に落ち着きがないわけでは

ありません。

自分のやりたいことのスイッチが入ると

集中して取り組みます。

 

そして実は自信が持てずに

落ち込むこともあります。

周りと自分の違いがわかっているのです。

 

大きな知的障害はないので

わかるのです。

 

学校で先生に盛大に叱られた後

学童保育では

「頭が痛い」と言って

個室に閉じこもってしまうことも。

自信をなくしているのです。

 

そんな時には担当の支援者が

見守り、優しい声かけをしたり

得意な遊びを提示したりします。

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接し方のポイントは5つ。

褒める・順序だてた行動を促す・

才能を発見する・不安を軽減する・

自覚させる

 

①よく褒める

叱ることも大切ですが、

何よりも褒めることが大切です。

こまめに褒めてあげることです。

 

②順序だてた行動を促す

興味のあることからさせるようにします。

ただしルールやマナーとして

守るべきことは守らせるよう

大人として指導をしていきます。

 

③才能を発見する

ADHDの子供は自分の好きなことに関しては

ものすごい集中力を発揮します。

子供の才能を発見して、サポートしてあげると

才能が伸びていくのです。

 

④不安の軽減

予定の変更は最小限にします。

予測可能で安全な環境にします。

また、おどかすような不意打ちや

びっくりするようなことは

しないように気をつけます。

 

⑤自覚させる

どういった不注意で過った行動をしやすいか

見つけて教えてあげます。

 

5つのポイントは

こどもをよく見ている人でなければ

なかなか実行できません。

 

なので親としての関わりが大切なのですね。

 

①褒める。といわれても

褒めなれていないと難しい!

②順序だてた行動を示すといわれても

こちらも感情が先立ってしまいます。

④不安の軽減と言われても

見ているこちらがこの子の将来が不安だ!

 

だからといって問題行動を

そのままにしておくわけにはいきません。

特に行動に問題がある場合の対処方法も

きちんとあります。

 

やってほしくない行動が見られたら、怒りをぐっと抑えて

 

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良い悪いは後になるとわかるけれど

いざその場面になると

制御がきかない事が多い。

 

そんな時には

遠くから見守る。目をそらす。

 

その子を無視をしているわけではありません。

行動を無視するのです。

 

行動に問題があると思って

すぐに叱りたくなるのを

ぐっとこらえるのです。

 

まずは様子を観察なのですね。

 

・興奮していたら

落ち着かせます。

周囲からの刺激の少ない場所に移動したり

深呼吸を一緒にしたり。

 

落ち着いたらそれを褒めます

そして「次はこうしてみたらどうかな」と

代わりになる行動を示すようにします。

 

この代わりの行動を示すのにも

落ち着いて観察することが必要なのです。

 

・指示は一度にひとつ

「だめ!やめなさい」

「何度言ったらわかるの!」

これには具体的な指示の言葉はありません。

 

ADHDのこどもはとっさに

「どうしたらいいのか」

思いつきません。

 

そこで

「蹴るのをやめて」

具体的に1つのことだけを言います。

 

・近づいてから、穏やかに、

静かな声で注意する。

目の前のことにとらわれていると

遠くから大声で注意しても

なかなか子供の耳に入りません。

 

遠くから大声で言えば

周りも驚き、注意をされるその子に

悪い印象を与えます。

 

怒られているところを

見られたくはないですよね。

 

なので

近づいてから、穏やかに、

静かな声で注意するようにします。

 

名前を言うと

「自分に話されている」


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と意識が向きます。

 

上手に褒めることも大切です。

 

・その場ですぐに褒める

問題行動をやめたらすぐに褒めます

時間が経つと効果が薄れてしまうのです。

 

・褒める時は目線をあわせて

微笑みつつ、嬉しさの含まれた声で

喜びの感情をこめて褒めます。

 

ここはこちらも女優にならないといけませんね。

目が笑っていないのに褒めても

皮肉にしか聞こえません。

 

・トークン(ポイント)表の活用

子供が適切な行動を取れたら

シールやスタンプでポイント表に

得点加算をしていきます。

トークン(代用貨幣)とよばれるこの方法。

 

それを集めると好きなものや活動と

交換できるようにするシステムです。

長い歴史のある有効手段です。

 

接し方の概念はわかった。でも具体的に何しよう・・・こんな時にはペアレントトレーニングを

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ADHDに限らず障害をもつ親御さんは

「ペアレントトレーニング」という

両親の関わり方のトレーニングが

医療機関などで受けられます。

 

ADHDの疑いのある子には

ぜひ受けていただきたい。

お子さんも親御さんも辛さが減るためです。

 

机上の空論とまでは言いませんが

その子により症状は様々なので

本で学ぶよりも実際に専門家に

アドバイスを受けるほうが

より実践的に的確な関わりができます。

 

障害を持つ子供の集まる学童では

定期的に講演会などで学んでいますが

プロフェッショナルな支援員の集まる場所では

どんな対応がされているのでしょうか。

 

一番最初に紹介したケース

「おやつを椅子に座って食べられない」

 

この時こんな関わりが見られました。

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机に足を乗せてみた。

 

「足をおろそう」

正しい行動を1つだけ提示

 

足を下ろしたのを確認すると

「おろせてえらかったね。きちんとすわれたね」

すかさず褒めます。

 

次に

椅子の背もたれに座ってみた

「平らなところにすわろうね」

 

ここでも指示をして

座面に座るとまた褒めます。

「背もたれでお尻がわれなかった?」

「お尻は最初からわれてるよ!」

 

冗談を言って、場を和ませます。

「せんべい食べる?」

 

落ち着いたところで次のおやつを食べるという

行動を指示

 

食べながら歩き始めたら

指導員も席を立ち、前にまわりこんでから

「食べる時は座ろう」

注意します。

 

でも注意してもおとなしく座らない。

机の下にもぐりこんで食べたりしています。

 

それでも何も言わずに

歩き回るA君を見ています

 

食べているものがこぼれてもおかまいなしのA君。

また

「座って食べよう」

そこでやっと座ると

「座れたね。えらいよ」

 

ちょっかいを出して

お菓子を取ってしまった時は

「戻して」

戻したのを確認してから

「おかわりくださいでしょ?」

 

お菓子を取られた子には指導員が謝ります。

「謝って!おかわりでしょ!」

だと、指示が2つになるためです。

 

まだ欲しいから友達からとってしまったので

欲しい時にどうするかの

対応方法をまず教えるのです。

 

謝るのは指導員にもできます。

 

おやつを食べ終わって片付けると

「そうじしよう」

と、食べこぼしたお菓子を

掃除して終わりです。

 

A君はADHDだと知っていても

適切な対応方法を

知らなかった入った当初。

 

あまりにも落ち着きがない

A君に驚いたのと同時に

決して強く叱らず

椅子に座るという当たり前のことも

すかさず褒める先輩指導員の

対応を見て

 

「甘くない?」

そう思ってしまいました。

 

普通なら5つは

「見ていてイライラする」

ような「大声で叱り付けたい!」

行動がみられます。

 

これがADHDの特徴がさせることで

A君には「どうすることもできない」

ここで怒ってもA君は自信をなくすだけです。

 

この対応はADHDの子供に限らず

問題行動を取った時の普通の子にも利きます

 

おやつの後のA君は

機嫌が悪くなることもなく

指導員も、にこやかです。

 

ポイントをおさえた正しい対応だと

どちらも穏やかにすごせるのですね。

 

大声で叱るのは疲れるだけかも?

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ADHDと重度の知的障害というお子さんもいて

髪の毛を容赦なく引っ張られても

誰も「大声で怒る」ようなことはしません。

 

なぜなのかたずねると

「大声でしかりつけてもいい結果が出ないから」

 

本人はパニックになって

余計に手がつけられなくなる。

周りの子供もつられて泣き出す。

固まってしまい何もできなくなる。

そこで失禁をしてしまう。

さらに落ち着きがなくなる。

自傷行為をはじめる。

 

大声で叱るだけで

本人にも周りにも

リスクのほうが多くなるのです。

 

そこで大切なのは

関わる人が「深呼吸をして落ち着くこと」

 

ほんの2,3回の深呼吸で

自分の気持ちを落ち着けて

冷静に子供に向き合えるのです。

 

問題的な行動を取られたり

怪我をしたり

物が壊れたりすると

注意をする方の感情が

瞬間的に昂ぶります。

 

感情の昂ぶりをその場で

落ち着かせるには深呼吸。

 

家庭での躾の時にも使ってみてください。

 

まとめ

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ADHDは7歳ぐらいから症状が現れる一方で

思春期には終息を迎え症状が

あまり目立たなくなる

とも言われています。

 

大人の関わり方で

症状に影響を与えることもあります。

ただ躾を厳しくするだけでは

症状を改善できないのです。

 

大人の正しい理解と

関わり方がとても大切なのですね。

 

「ADHDだから」

こういう対応というだけでなく

 

「子供だから」

という理由でも

わかりやすく対応できると思います。

 

言うことを聞かないことが悪いこと。

 

悪いところにばかり目がいってしまう。

これが親として大人として

当たり前でしょう。

 

でもそんな概念をひっくりかえすような

 

悪いところよりも良いところを

細かく褒めて伸ばす。

そんな躾の仕方もできるではないでしょうか。

 

(みみみ3)

 

 

 


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